【EVE活シリーズ】glaze Henderという男
俺の名はglaze Hender。カプセラ登録時にファーストネームを大文字にするのを忘れた、間の抜けた男だ。
今は主に市場を睨みながら格安のアイテムに買いを出し、現地に趣いて回収、主にジタ4-4、あるいはその場で高値で売れるところに持っていって売り飛ばす……つまるところ輸送と転売で儲けている。
俺の相棒はこの船のような何かだ。捕まったら一瞬で蒸発するこいつだが、軽いアイテムならかなりの量を積み込める。たとえばサルベージ素材――俺がメインで取引しているやつだ。そのうちモジュールにも手を出してみたいな。
始まりは些細なことだった。公式による日本語化が再開した頃、知り合いがeveの世界に飛び込んで、炭鉱夫生活を楽しんでると聞いた。俺も元から興味があったが、日本語化も終了していた当時、きっかけを失っていてな。これを期にeveの世界に飛び込んだわけだ。
その頃からずっと手探りでやってきた。色んなコンテンツを試したり、外部の情報を集めたりを繰り返した。様々なことをまったり―この見た目でまったりだ―やってみて、俺がやりたいことに気がついた。
まずは市場のチェックだ。俺の典型的な一日の始まりの合図。市場に流れている多数のアイテムを探して、売値と買値を比較しながら関数電卓を叩く。
市場に渦巻く人間の意志を読み取るのが面白いんだ。こいつはどうしてこんな辺鄙な場所で、こんなに格安でアイテムを売りに出したんだ? そんなことをぼんやりと考えながら、ジャンプを繰り返す。
目星をつけたアイテムの在処があるリージョンにたどり着いたら、即座に買い注文。ファミリーネームのスペルを間違えた、どっかの環境活動家と同じ名前の妹―社外altともいう―がミッションで稼いだ金を担保に、売り注文に金を叩きつける。
あぁ、やっちまったな。その気になればミッションで適当にサルベージすればいくらでも出てきそうなアイテム。それを買うためだけに20Misk以上の金をぶちこむなんて。帰れなかったら大損だぞ?
イカれた特攻野郎たちとのひりつく読み合いに打ち勝って、あのローカルチャットのうるさいジタ4-4……ではなく、今回は別の、片田舎のステーションに入港。今回は一番高い買い注文に流し込むだけで終了だ。
その瞬間に、元本と利益が俺のもとに舞い込んでくる。儲けはあまり大きくない―今回は7.3Mほどだった―が、大きい金を動かして、経済の輪の中に入ったその瞬間がたまらないんだ。
最近俺は、とある大企業の初心者支援コーポに入社した。これからはここで新しい楽しみを探そうとしている。
後は、そうだな。実は俺は、eveの世界に生まれてから買い注文を一度も出したことがない。これを使って、儲けを増やすことができたら、本業ももっと楽しくなるかも知れないな……。
■編集後記 活動内容が多岐に渡るeve onlineですが、交易の要素に力を入れているゲームは、私が認知してる中ではそう多くありません。 その中でも市場がちゃんと形成されて動いているこの世界には、大きな魅力を感じています。 いずれ交易に飽きることもあるかもしれないですが、それ以外にもできることがたくさんあるこの世界なら、なんだかんだ言って手軽に帰ってこれるというのもライフスタイルにあっています。 世界に魅力を感じてプレイを初めて、自分のペースでやりたいことをやってみて、飽きたら少し離れて、何気なく戻ってくる。 そういう遊び方ができる、唯一無二のゲームだなと思ってます。
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